顕微鏡観察におけるハレーション現象とは? 原因や対策方法を解説!

顕微鏡による外観検査では、細かな傷や欠けなどを詳細に確認する必要があります。そのためには視野を明るく保たなければいけません。とはいえ照明が適切でなければハレーション現象が起こり、正確に検査できなくなります。より鮮明な像を得るためには、ハレーション現象が起きる原因を理解し、対処しなければいけません。

本記事では顕微鏡観察でなぜハレーション現象が起こるのかを解説するとともに、ハレーション現象の対策方法を紹介します。

写真や光学機器におけるハレーション現象とは?

ハレーション現象は、白飛びとも呼ばれ、カメラや顕微鏡など光学機器を用いて撮影・観察する際に、強い光がレンズに入り込むことで対象が白くぼやける現象を指します。ハレーション現象が起こると、その部分はほとんど確認できず、正しい観察が難しくなります。

ハレーション現象を利用した観察方法もありますが、基本的には光量の調節、照明の工夫などで適切にハレーションを除去することが必要です。

顕微鏡観察でハレーション現象が起きる原因

顕微鏡観察でハレーション現象が起こる理由には、主に以下の3つが考えられます。

試料の反射率が高い

反射率の高い試料の場合、散乱光が対物レンズ内に入りハレーション現象を起こしやすくなります。例えば、銀やアルミ、ガラスなどは特に反射率が高く、照射した照明の80%以上を反射します(※)。こうした試料を顕微鏡で見ると、像側はまるで光を見ているかのように明るくなり、うまく観察できません。

反射率の高い明るい試料はハレーション現象を起こしやすいため、観察する際には光量や照明方法に工夫が必要です。

※参考:Panasonic.「各種材料の反射率」.

https://www2.panasonic.biz/jp/lighting/plam/manual/calc/reflectance/ ,(参照 2025-3-21).

照明が強過ぎる

反射率がさほど高くない試料でも、照明が強過ぎればハレーション現象は起こります。この場合、視野全体が白く見えることもあります。照明の光量を調節する必要がありますが、シャッタースピードで調整することも可能です。

レンズの性能や汚れ

顕微鏡の中にはハレーション除去機能や偏光フィルターが装着可能なものもあります。こうした特別な性能を持たない一般的な顕微鏡のレンズに強い光が入り込んだ場合、ハレーションを抑えることはできません。

またレンズの汚れにも注意が必要です。レンズに皮脂などの汚れが付着していると、全体がかすんだように白っぽくハレーションを起こす場合があります。

ハレーション現象の対策方法

ハレーション現象が起きた場合の対策として、以下の方法を試してみてください。

光量を調整する

ハレーション現象を起こした場合、まず光量を調節してみましょう。照明の光が強過ぎれば、試料の反射率に関係なくハレーション現象を起こします。光量を少しずつ落とし、より鮮明に見えるよう調整しましょう。ただし、光量を落とし過ぎると視野が暗くなってしまうため、最も鮮明に見える明るさに調整することが大切です。

拡散照明で観察する

拡散照明でハレーションを取り除く方法もあります。拡散照明とは指向性の強い光を乱反射させることで、試料全体を均一に照らす照明方法のことです。金属のように透過性のない試料を観察する際には、試料の正面から光を照らす落射照明がよく用いられますが、一方向から強い光を照射するため、どうしてもハレーション現象を起こしやすくなります。この光を散乱させ、暗いところは明るく、明る過ぎるところは暗く調節できるのが拡散照明です。光量を調整しただけではうまくハレーションを抑えられない場合は、拡散照明を活用するとよいでしょう。

SS値(シャッタースピード)を調整する

SS値(シャッタースピード)を調整してハレーションを抑える方法もあります。SS値が大きくなるとシャッタースピードが長くなり、SS値が小さいとシャッタースピードは短くなります。シャッタースピードが長くなるとセンサーが光を捉える時間、いわゆる露出時間が長くなるため、像が明るく映るのが一般的です。

つまり、SS値を小さく設定すれば、露出時間は短くなり、明るさを抑えた像を捉えることができます。SS値を小さくして取り込む光を少なくすれば、おのずとハレーションも抑えられるでしょう。

まとめ

金属など反射率の高い試料の観察ではハレーション現象が起きやすく、撮影や観察を妨げることがあります。光量の調整や拡散照明の利用、SS値の調整で露出時間を減らすといった工夫でハレーションを抑え、精密な像を映し出しましょう。

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ハレーションをうまく除去して高精度な解析を実現したいなど、顕微鏡検査におけるハレーション問題でお悩みなら、ぜひアクティブウェーブにご相談ください。

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