外観検査で行われる目視検査とは?

デジタルマイクロスコープ

目視検査とは?

目視検査の基本概念

目視検査は、製品や部品の品質を人の目でチェックする検査方法で、官能検査の一環です。官能検査では、人間の五感(視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)を活用しますが、目視検査は特に視覚に重点を置きます。この検査方法では、製品の表面にある異物、キズ、形状不良、印字ミスなどを目で確認します。

目視検査は外観検査の一種で、主に不良品を検出する目的で行われます。自動化が進んでいる現代でも、完全に自動化が困難な部分は目視検査で補うことが多いです。多くの製造現場では、機械による検査後に目視検査が実施されるパターンが一般的です。

目視検査の現状と課題

製造業における品質管理の重要性

製品の外観検査は製造業において重要な品質管理の一環です。製品が市場に出る前の最終チェックとして機能し、不具合が見つかれば消費者に届く前に修正されます。製品の複雑性が増し、生産量が増加する現代では、目視検査の限界が明らかになってきています。

目視検査における課題

目視検査は、細かい傷や異物を検出する上で重要ですが、いくつかの課題を抱えています。検査員の個々の精度に差があり、教育に時間が掛かるため、機械に比べて効率が悪く、検査員の負担が大きいです。

  1. 品質の一貫性の欠如 – 目視検査は主観的で、検査員の経験や視覚能力、その日のコンディションによって評価が異なる可能性があります。
  2. 疲労と注意力の低下 – 長時間の作業により検査員の疲労が増し、注意力が低下し、欠陥の見逃しや誤判定が増える傾向にあります。
  3. スケールの限界 – 生産量増加に伴い、人間による目視検査の限界が顕著になります。
  4. 複雑な欠陥の検出困難さ – 製品が複雑化すると、微細な欠陥や複雑なパターンの欠陥を検出するのが困難になります。
  5. 訓練と教育の必要性 – 新しい製品ラインや検査基準が導入されるたびに新たな訓練や教育が必要です。
  6. 品質にバラつき – 検査員による評価にバラつきがあり、均一した基準で評価することが難しいです。
  7. 熟練検査員の高齢化 – 技術継承が難しく、後継者不足による課題があります。
  8. 人件費の高騰 – 人手不足による人件費の上昇が、目視検査のコストに直結しています。

目視検査の種類

目視検査には複数の種類があり、それぞれが異なる目的や特徴を持ちます。

インライン検査

インライン検査は製造ラインに検査手順を組み込む方法です。この方式の主なメリットとデメリットは次のとおりです。

  • メリット
  • 素早く検査が行える。
  • 全数検査に利用しやすい。
  • 自動化しやすく、人件費を削減できる。
  • デメリット
  • 自動化しない場合、人件費がかかる。
  • 自動化する場合は設備の設計が必要。
  • 自動化する場合は設備費がかかる。

オフライン検査

オフライン検査は製造ラインから分離した工程で行う方法です。以下がそのメリットとデメリットです。

  • メリット
  • 精密な検査が可能。
  • 設備費が抑えられる。
  • 抜取検査に利用しやすい。
  • デメリット
  • 全数検査には向いていない。
  • 検査員のスキルによりばらつきが出やすい。
  • 精密な検査には人件費がかかる。

全数検査

全数検査は対象の製品や部品をすべて検査する方法です。

  • メリット
  • すべての品質を保証できる。
  • 市場への不良品流出リスクが低い。
  • デメリット
  • 検査スピードに限界がある。
  • 多くの人員と時間が必要。
  • 耐久検査や破壊検査には向いていない。

抜取検査

各ロットからサンプルを抜き取って検査する方法です。

  • メリット
  • 耐久検査や破壊検査に向いている。
  • 費用や時間の削減が可能。
  • 複数項目の検査が行える。
  • デメリット
  • すべての製品や部品の品質を保証できない。
  • 不具合が発生する可能性がある。
  • 品質改善効果が小さくなることもある。

目視検査に重要なデジタルマイクロスコープの選び方

目視検査において、デジタルマイクロスコープは重要です。以下は、デジタルマイクロスコープを選ぶ際に参考にできるポイントです。

  1. 目的や用途に適したタイプを選ぶ
  • デジタルマイクロスコープには、主にデスクタイプとハンディタイプの2種類があります。
  • 細かな作業や長時間の研究、観察業務を行う場合は、デスクタイプが適しています。
  • 屋外やさまざまな場所で使用する場合、携帯性と汎用性に優れたハンディタイプが適しています。
  1. 機能面を考慮して選ぶ
  • 共通してデジタルカメラが搭載されていますが、モニターの有無や機能の種類は異なります。
  • デスクタイプは大型モニター接続や自動撮影、資料作成機能など高性能な機器が多いです。
  • 一般に販売されているマイクロスコープには、オートフォーカス、オートズーム、映像録画、静止画保存、オート測量機能などが搭載されています。
  1. 給電方式から選ぶ
  • コンセント式は屋内作業に適しており、長時間の観察業務に向いています。
  • 電池・バッテリー式は屋外作業に適しており、携帯性に優れています。
  • 作業場所や作業内容に応じて適切な給電方式を選ぶことが重要です。
  1. 効率的な作業を支援する機能
  • 従来型の光学顕微鏡と比較して、デジタルマイクロスコープは作業工数を削減できます。
  • オートフォーカスやズーム機能を備えているため、効率的な作業が可能です。
  • 大型モニターでの映像確認が可能で、複数人での作業にも適しています。

デジタルマイクロスコープは、目視検査において精密な観察や研究作業を効率化するための重要なツールです。用途や作業環境に応じて、適切なタイプと機能を備えたモデルを選ぶことが重要です。

目視検査の基本やデジタルマイクロスコープの選び方について

目視検査は製品や部品の品質を人の目で確かめる基本的な検査方法であり、視覚を利用した官能検査の一環です。現代の製造現場では、目視検査の限界が顕著になりつつあり、品質の一貫性の欠如、検査員の疲労、スケールの限界、複雑な欠陥の検出困難さ、訓練と教育の必要性、品質のばらつき、熟練検査員の高齢化、そして人件費の高騰といった課題が存在します。

目視検査はインライン検査、オフライン検査、全数検査、抜取検査といった複数の形態があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、検査精度を向上させるためには、目的や用途に適したデジタルマイクロスコープ選びが重要です。機能面、給電方式、作業効率を支援する機能などが選択の重要なポイントとなります。

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